不妊症検査
不妊症には多くの原因があるので、系統的に順を追って検査を行います。検査の内容や順番は施設によって多少異なり
ますが、女性だけでなくパートナーの男性にも検査を受けてもらう必要があります。

検査には、全員の方に受けていただくスクリーニング検査と、必要に応じて追加する精密検査とがあります。
患者さんが病院で検査を受ける時の参考として下さい。
スクリーニング検査 精密検査
排卵因子 基礎体温測定
LH、FSH、プロラクチン測定
エストロゲン、プロゲステロン測定

頸管粘液検査
超音波卵胞計測
ゲスターゲン・テスト
エストロゲンーゲスターゲン・テスト
LHRH テスト
甲状腺機能検査
染色体検査
卵管因子 子宮卵管造影法
通気・通水テスト
腹腔鏡検査
子宮因子 子宮卵管造影法
超音波断層法
子宮内膜日付診
子宮鏡検査
CT、MRI
男性因子 精液検査 <泌尿器科紹介>
その他 抗精子抗体
クラミジア抗体
性交後試験(フーナーテスト)
クラミジア抗原
こちらに説明が出ます。
基礎体温測定

婦人体温計を用い、朝起きてすぐにベッドの中で寝たまま測定して、結果を表に書き込んで下さい。
基礎体温とは、基礎代謝状態での体温を測っているので、ベッドから起き上がったりして動いて
しまっては、正確に測れません。 必ず寝る前に、体温計を枕もとにおいておき、朝起きたらすぐ
に測れるようにしておいて下さい。 体温計は正確な水銀体温計が良いです。この他、月経のあっ
た日、排卵検査薬を使っている場合は薬を使った日とそれの陽性・陰性の結果、排卵誘発剤を服用
している場合は薬を飲んだ日を記入して病院へ持参して下さい。
LH、FSH、プロラクチン測定、エストロゲン、プロゲステロン測定

それぞれのホルモンの血中濃度を血液検査で調べます。
ホルモンは日々変動していますので、検査する時期によって結果の意味合いは多少変わってきます。
卵胞期に LH が FSH の値より高いと、多嚢胞性卵巣症候群が疑われます。
赤ちゃんが産まれてもいないのにプロラクチン濃度が高いと、高プロラクチン血症が疑われます。
排卵前にエストロゲン濃度が低いと、卵胞の未発育が疑われます。
黄体期にプロゲステロン濃度が低いと、黄体機能不全が疑われます。
これらの血液検査は、基礎体温表と照らし合わせながら検討いたしますので、基礎体温表も必ず
持参して下さい。
頸管粘液検査

頸管粘液とは、子宮の頸管より分泌される無色透明のおりものの事です。
排卵期に近づくと、頸管粘液の量が増え、また、糸を引くような粘り気が出てきます。
検査は、排卵期に頸管粘液の量と性質を調べます。 頸管粘液は、精子が子宮内に入りやすくする役割を
持っているため、量が少なかったり熟化していない場合は不妊の原因となるため、大切な検査の一つです。
超音波卵胞計測

自然サイクルでは、通常 1 つの卵胞だけが大きく育っていきます。 卵胞が約 20 mm 以上に成長すると、
一般には排卵すると言われています。 そのため、経膣超音波で卵胞の大きさを計り排卵時期を予測します。
卵胞は 2 mm/回 づつ大きくなると一般的に言われていますが、個人差もあるため、排卵するまでには、
こまめに診察する必要があります。

子宮卵管造影法

造影剤とレントゲンを用いて、子宮の異常(奇形、ポリープ)や卵管の通過性、癒着などを調べる検査です。
検査をする時期は、月経終了後、排卵するまでの間で、必ず検査前は避妊をしておいて下さい。
子宮卵管造影検査には、いくつかの方法がありますが、一般的な方法を以下に図示します。



子宮卵管通気・通水テスト

通気テストは、子宮の入り口に卵管通気用の器具をつけて二酸化炭素を子宮内に送り、圧力の
変化をグラフにして卵管の通りの良さを調べます。 卵管造影法と似た検査ですが、多少意味合いが異なっています。
れません。 通水テストは、水を注入して卵管がつまっているかどうか調べると同時に、詰まって
いる所を水圧で通りやすくします。
子宮内膜日付診

妊娠を成立させるためには、子宮内膜は卵管からくる受精卵を受けとめ着床させる必要があります。
そのため、子宮内膜の状態が悪いと受精卵の着床がうまくいかず妊娠は成立しません。
子宮内膜日付診とは、黄体期 (高温期後期) の子宮内膜を採取して顕微鏡で調べる検査です。
排卵後の日数と採取した子宮内膜の状態とが一致しない場合や、子宮内膜の成熟が悪い場合は、
黄体機能不全が疑われます。
精液検査

以前より、不妊症は女性の病気として考えられてきました。 しかしながら、実際には不妊症の原因の約 40 %
は男性側にあり、男性因子の検査は一番大切な検査となっています。 また、今後は環境因子などの影響により、
ますます男性不妊は増える事が予測されます。
精液検査は、5日以上の禁欲期間をおいて、マスターベーションで精液を容器に採取してもらい、。
精液の量、濃度、精子の運動率、奇形率を調べます。
採取する際には、必ず専用容器にとり (病院でお渡しします)、コンドームなどは使用せずに直接採取して下さい。
また採取後は、なるべく早めに持参して下さい (2 時間以内)。
クラミジア抗体

血液中の抗体を調べたり、子宮頸管からクラミジアそのもの(抗原といいます)を検出したりします。

詳しくはこちらをクリック。
ゲスターゲン・テスト

無月経の人の検査で、プロゲステロンを投与して性器出血の有無により無月経の程度を判定します。
これにより出血があれば、無月経の程度が軽い、第一度無月経という事になります。
エストロゲン -ゲスターゲン・テスト

無月経の人の検査で、ゲスターゲン・テストで出血が起こらない場合は、エストロゲンとゲスターゲン
を投与し出血の有無を見ます。 これにより出血があれば、第二度無月経という事になります。
LHRH テスト

LHRH を注射して15分から2時間後に採血し、LH と FSH の反応を調べます。
甲状腺機能検査

血中の甲状腺ホルモンの値を調べます。 甲状腺に異常があると、女性ホルモンもバランスが崩れ、月経が
不順になったり、無排卵になる事もあります。 よって不妊症の原因にもなるため、検査で異常がみつかった
場合には、甲状腺治療薬を服用する事が必要となってきます。
染色体検査

18歳を過ぎても初経がみられない場合はホルモン異常や性染色体異常が疑われるので、
必要に応じ染色体検査を行います。
腹腔鏡検査

内視鏡を腹腔に直接入れて、子宮や卵巣周囲の様子を調べる検査です。

子宮鏡検査

内視鏡で子宮の中を直接のぞく検査です。 子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫、子宮奇形が
疑われる場合に行います。
CT、MRI

CT や MRI は、子宮や卵巣の形、大きさを調べるのに使われます。 特に MRI は、
子宮奇形の種類、子宮筋腫の位置と大きさ、チョコレートのう胞の鑑別に有用です。
性交後試験(フーナーテスト)

排卵期に性交した後、12時間以内に膣内、子宮頸管内、子宮内を調べて、運動して
いる精子がいるかを調べる検査です。